No. 58: ふしづくり〜オリジナル曲をつくろう〜

◆ 校種 ◆
小学校
◆ 教科 ◆
音楽
◆ 学年 ◆
5年
◆ 時間数 ◆
6時間
◆ 教科書 ◆

授業の概要
子どもたちは、習った歌や流行歌の替え歌をつくったり、リズムにアレンジを加えたりして、日頃から友達同士で音楽表現を自然に楽しんでいる。音楽科における表現学習は、音を使う性質上、目に見える形として残りにくい。従来ならば、録音テープ等のメディアを用いることが多かったが、コンピュータネットワークを利用することで、さらに幅広く、多様に活用できることを目的としている。

教科の目標
・曲の構成を工夫し,簡単なリズムや旋律をつくって表現する。
・自由な発想を生かして表現し,いろいろな音楽表現を楽しむ。
・他の作品を聴き、良さや工夫点を見つける。

情報教育目標リスト(2011年版)
 ◆C11a3-020: (自他の)情報や意見の、独創性(オリジナリティ)を意識する〔認識〕
 ◆C31c1-020: 自分の作ったものと同じように、友だち(他者)の作ったものを大切に扱う〔行動〕
 ◆C31c2-020: 引用・流用をする際のルールを知る〔認識〕
 ◆C31c2-040: 著作物は、勝手にコピーしない〔行動〕

STEP1
・オリジナル曲のイメージをつくろう
・簡単な言葉に合わせた「ふし」づくり体験から、自分の曲へとイメージをふくらます。  
・できた曲は何らかの形でメモを残すか、テープに録音しておく。
・詩や短歌・俳句などをもとにしてもよい。
・曲は短くてもよく、思考段階には自由に楽器等を用いる。

STEP2
・イメージを実現しよう
・子ども用ミュージックソフトを使って、自分の曲をコンピュータに入力する。
・再生の音色は自由に選べるようにしておくとおもしろい。
・前時に残しておいた情報を手がかりに、イメージにより近い曲に仕上げていく。
・題名を決め、可能な場合は歌詞も入力しておく。

STEP3
・ネット上でオリジナルコンサートを開こう
・ネット上で、それぞれできあがった曲を交流し、聴いた感想を伝え合う。
・交流をしながら、さらに手直しがしたいと考える子どももいるので、自由に自分の曲に手直しができるようにしておく。
・オリジナル曲の例・感想カード等を用意しておき、聴いた感想を自由に交流し合える場にする。
・興味のある作品は、リコーダー等で演奏してみるとよい。

STEP4
・インターネット上で公開しよう(授業後)

まとめ
・このふしづくりにあわせて、パワーポイントを使用した簡単なwebページづくりを学習しておいた。オリジナル曲を自分たちでつくったページにリンクし、思い思いの仕上がりになった。
・キューブミュージックでは、音色やテンポを自由に変えることが可能であり、交流の時間には聞く側でも音色変化等の操作を楽しむことができた。
感想カードで届いたアドバイスを参考に、グループで相談し、その場で改良更新できるようにした。
・イントラネットからインターネット上に公開後は、各家庭からも接続することができ、保護者から曲の感想が寄せられた。
・ほとんど全部のグループが作詞・作曲両方に挑戦し、授業後もクラスではお気に入りの曲が口ずさまれた。
・音楽表現を苦手とする子どもが少なくないが、このふしづくりの学習では大変意欲的に取り組めた。                         

実践のポイント
・ふしづくりについては、個人活動やグループ活動など、子どもの実態に合わせた学習形態を考えることが必要である。
・入力の方法として楽譜への音符入力が一般的だが、音符は苦手という子どもも多い。そこで、教師の支援や友達同士での自然な協力、鍵盤を弾くと自動的に入力できるシステムの用意などが望ましい。本授業では、キューブミュージックソフトを使用した。
・著作権の問題が関わってくるため、web公開するにあたって作曲者に事前に了解をとることが必要でありモラル教育の面からも、著作権について子どもたちに知らせる機会が必要である。