虫の体をしらべよう

概要
ねらい
情報活用のねらい
Step1:虫マップをつくろう
Step2:虫について調べよう
Step3:昆虫のもけいをつくろう
実践にあたっての留意点

教師用ガイドブック
子ども用ワークシート
教師用ワークシートガイド
学習進行表
構想グラフ/活動イメージ
新・情報教育目標リスト(2011)対応
 ◆A51a2-010:互いに出し合った課題の中から、調べたいものを選ぶ〔行動〕
 ◆A21-2-040:印刷物・放送・ビデオなどのメディアから情報を集める〔体験〕
 ◆A51a3-050:自分の意見を持ったり、課題を見つけたりする際に、他の人の意見も参考にする〔態度〕
 ◆C22-3-050:受け手の気持ちや状況を考えて、情報を発信する〔認識〕
 ◆C22-2-020:情報の提供に対し、感謝と助け合いの気持ちを持つ〔行動〕
 ◆A21-3-020:情報機器を利用して、画像や動画を記録する〔技能〕


子供たちは、これまでの生活の中で遊びや学習を通 して、多くの虫と出会ってきている。しかし、自分の関心のある虫、または特徴のある虫の体の形などについては理解しているものの、夏や秋に鳴いている虫の名前、体のつくりや生息環境などについての知識は少ないと思われる。そこで、本単元の学習を通 して、身近にいる虫の生息環境や昆虫と昆虫でない虫の体のつくりの違いについて調べる。学習活動を進めるに当たり、学校周辺の豊かな自然に生息する虫の観察や飼育活動を通 して、実物をもとに学習を進める。虫が鳴くときの様子や鳴き声などふだん実際に目にすることが困難な場面 などについては、コンピュータソフトを活用したり、インターネットから情報を収集したりしながら、子供の興味・関心を高めるとともに、問題解決的な学習を進めていきたい。
学校周辺の野原や林に住む虫の種類や生活の様子、体のつくりを観察し、追究する活動を通 して、昆虫の体の特徴や役割について理解する。
昆虫と人間の体のつくりやはたらきについて比べ、共通 点をとらえることができる。
学校周辺などの身近な自然から、自分の問題解決に必要な情報を収集する。
デジタルカメラを使って、虫の特徴が表れるような映像を写 し、虫マップを作ったり、実物を観察したりして、それを手がかりとしながら、虫の体のつくりを調べる。
コンピュータやビデオ、図書資料などを利用して自分の学習問題を解決する。
テレビ電話を利用して、県立自然科学館と質疑応答することにより、自分の問題を解決するための情報を収集する。

虫の鳴き声で名前が分かるかな。(1時間)

虫の名前をいくつ知っているかワークシートに書き、発表する。
9月初旬の学校周辺に鳴く虫の声を録音したものを聞かせ、虫の名前当てをする。


はじめに、知っている虫の名前をワークシートに書かせ、名前を知っている虫の種類を自覚させた後に録音した虫の鳴き声を聞かせる。その際、最初の声は、みんながよく知っていると思われる虫の声がよい。意外と、虫の声と名前が゛一致しない子供がいるものである。むしろ、導入時では形と名前が一致しない方が学習意欲につながるものと考えられる。
次に何種類かの虫の声が混じったものを聞かせ、「何種類鳴いているか。」「何と言う虫か。」 子供たちの虫への関心を引き出すようにする。

学校の周りにはどのような虫がいるのだろうか。(3時間)

学校の周りにいる虫を探し、名前や鳴き声を虫マップに記録する。
名前を調べる際のヒントと手がかりにするために、デジタルカメラを使って虫の姿かたちを記録する。
デジタルカメラで撮影したものは、コンピュータを使ってプリントアウトし、名前を書き込んで虫マップに貼る。
デジタルカメラは、グループ数用意する。数が不足の場合は、使い捨てカメラを使ったり、ビデオカメラを使ったりする。フロッピーを使用できるものやスマートメディアを使用するものは、子供でも後処理が簡単にできるので都合がよい。学校で多く用意できない場合は、メーカーに問い合わせレンタルできるものもあるので問い合わせてみるとよい。 カメラ画像のコンピュータによるプリントアウト処理については、学習時間だけでなく、休憩時間などにも子供だけで処理できるように事前に指導する。

虫の学習で調べたいことを整理しよう。(1時間)

学校周辺の虫マップ作りを通 して抱いた虫についての疑問を整理して学習問題を作る。
単元の中心的指導内容は、「昆虫の体のつくり」であるが、体のつくりにとらわれることなく、子供の疑問の中から幅広い問題づくりに努める。


虫はどうやって鳴くのか。
虫は、話ができるのか。
虫の目はどのような仕組みになっているのか。
虫に耳はあるのか。
虫はにおいがわかるのか。
虫の触角の働きは何か。
羽のあるアリとないアリがいるのはどうしてか。
虫はどうやってえさを捕まえるのか。
昆虫の目は、色や形が人間と同じようにわかるのか。」
虫はどんなものを食べているのか。」

子供の素朴な疑問を取り上げるようにする。指導要領では、体のつくりを中心とした昆虫の定義に関する内容が主たる扱いであるが、子供の想いや意欲を大切に問題づくりを行う。


虫を探す場所は、草むらや林に限らず、花壇や畑、グラウンド、ベランダ下、駐車場など、学校の周り全体に目を向け観察させ、できるだけ多くの虫を観察、記録させる。
虫の鳴き声を聞いても名前がわからない場合は、鳴き声をことばで記録させ、今後の学習に生かせるようにする。
子供が知っている虫の名前と観察学習における虫の名前が一致しないことを実感させ、もっといろんな虫について名前と実物が一致できるように、自ら調べようとする意識を高めるよう配慮する。そのための手立ての一つとして、デジタルカメラを利用し、実物の映像を記録することによってその後の調べ活動を深めることができる。
虫を調べる活動の中で、虫はどんなところにいたか、何を食べていたかなどについても意識を向けさせるようにする。
虫の声を録音する場合は、できるだけ学習時期の学校周辺または子供たちの自宅周辺に聞くことができるような虫の声を録音する。また、家庭でも虫の鳴き声を聞き、虫の鳴き声と名前を調べようとするように興味・関心を抱くように工夫する。

虫の食べ物と体のつくりについて観察しよう。(4時間)

学校周辺に見つけた虫をつかまえ、飼育ケースに入れ、飼育・観察する。
特徴あるバッタ、コオロギ、カマキリなどの好きな食べ物に注目して、草食・肉食・雑食などの仲間に分け、それぞれの顔(口)や体のつくりおよびそのはたらきについて調べる。
指導要領における昆虫の扱いにおいては、2・3種類の昆虫を取り上げる程度でよいとしているので、代表的なもの3つを取り上げ、そのつくりとはたらきについて比べる。
子供の疑問を解決するための手段として、県立自然科学館とテレビ電話で接続し、遠隔学習を行う。


テレビ電話で質問する子供については、事前に質問内容を確認し、質問の仕方等について、指導し、練習をさせる。質問する際は、最初に名前を言い、次に質問を早口にならないように気を付け、カメラを見ながら、はっきりと話すように指導する。質問が終わった後は、お礼を言って終わるようにさせる。

いろいろな虫の体のつくりを調べよう(2時間)

昆虫と昆虫でない虫をとりあげ、体のつくりに着目して仲間分けし、昆虫と昆虫でない虫の体のつくりについて違いをまとめる。
ダンゴムシ、カタツムリ、アリ、トンボ、クモ、クワガタ、テントウムシ、ゲンゴロウ、セミ,コオロギなど、10種類の虫のカットを印刷したワークシートをもとにグループ分けし,昆虫の定義について考え、話し合う。
図書資料やコンピュータ(ソフト)、ビデオ資料をもとに一人またはグループで調べ、ワークシートにまとめる。


虫の体のつくりや食べ物について調べる際、一緒に飼育している虫の様子を観察し、草食・肉食・雑食の口のつくりの特徴や足のつくりとはたらきの違いに着目し、まとめさせる。

昆虫のもけいをつくろう。(1時間)

これまでの学習で学んだことをもとに、昆虫の体のしくみ(頭、むね、はら、あしの数と場所、羽の数など)をまとめながら、粘土で昆虫模型をつくる。
市販の昆虫模型キットを購入し,一人一人思い思いの昆虫模型を作る。羽や足、目などの部品材料が揃っており,子供の興味・関心を高めることができる。

学習環境の安全について

子供たちの昆虫採集や観察が安全に行われるために、事前に学校周辺の環境を調査・確認することが大切である。特に、ハチや蛇、漆の木などの存在を把握し、不慮の事故が起こった場合の対処の仕方などについて事前準備、指導をする。
グラウンド脇堤防や川原での活動も有り得るので、必ずグループ活動とする。

調べ活動について

できるだけ、野外観察を多く取り入れ、直接体験を通 して自然に触れ、親しむ中で虫のの様子をとらえさせるように配慮する。天候が悪いときは、時間の組換えも考慮する。決して、図書資料などだけで学習を進めないようにする。
理科学習において最も大切な観察学習を重視しながらも、虫の鳴き声や虫の鳴く様子など、実物や実際の様子を観察できない内容については、コンピュータソフトやインターネット情報の活用を図ることにより、子供の問題解決学習を支援することができる。
デジタルカメラの活用については、子供たちが操作しやすい(たとえばフロッピーディスク使用のもの)ことを考慮する。その後のコンピュータを使ってのプリントアウトなどについても、子供たちが自分で作業できるように事前指導を行ったり、マニュアルを作成したりすることにより、子供たちの主体的な活動場面 を多く設定する。
子供たちの疑問の解決手段として、多用なメディアの活用・工夫が考えられる。その一つとして、テレビ電話を取り上げた。県立自然科学館とテレビ電話で接続し、これまでの学習における疑問について質疑応答し、遠隔学習を行うことにより、図書資料やコンピュータソフトなどでは視聴することのできない映像や資料を提供してもらうことができ、子供たちに驚きと感動を与えることができる。
子供たちの問題解決学習を支援する手立てとして、ビデオテープも貴重な資料の一つである。予め、子供たちの学習問題の内容を把握した上で、視聴覚ライブラリーなどから借りる準備をしておき、子供が必要に応じていつでも視聴できるようにしておく。