名画の中に入ってみたら
小学校 図工 6年 7時間 日文
●デジタルコンテンツや図版資料から様々な名画を鑑賞し、本来平面で表された名画を立体に置きかえてみる。作品の中にある目には見えない奥行きや空間を,児童それぞれが想像しながら感じることにより,絵画的な空間を身近に実感していく。遠近法による奥行きや色彩の対比による空間,枠からはみ出して広がっていく次元など,見ているだけでは感じられなかったさまざまなことを,題材を通して発見し、エクセルのシートに鑑賞カードとして伝えたいことをまとめ、完成した作品と一緒に鑑賞を行った。

  ●学習のねらい
・平面作品を立体化する過程を通して、より楽しく親しく作品を鑑賞する。
・絵画作品の空間構成を分析する力を身につけ、鑑賞への関心を高める。

  ●情報の活用
a3-040: 相手に伝えるために、メディアを使って効果的に資料を作成する
c3-010: 課題解決に必要な情報かどうか適切に判断する
d3-030: 他の情報と比較しながら必要な情報を得る
d3-040: 情報の活用方法を考えながら、情報収集する
f3-030: 自分の考えをはっきりさせて、正確に伝える
g2-010: 表現したい事物を効果的に写真やビデオに撮影する
g3-020: 文字や画像や音声を、編集する

STEP1   1 時間
○たくさんの種類の複製画から自分の気に入った作品を選ぶ。
○掲示板に添付したエクセルの名札シートに画像を挿入する。
・画集・複製画資料・デジタルカメラの準備をする。
・画像の挿入の仕方を指導する。
STEP2   0.5 時間
○選んだ作品の奥行きや裏側を想像し、空間構成を考える。               
・ワークシートに記入しながら製作の見通しをもつ。
STEP3   2 時間
○段ボール箱や紙粘土など、いろいろな材料や方法を使い構成物を製作する。
・構成物の空間関係を意識できるよう支援する。
STEP4   2 時間
○もとになった複製画をよく観察して、配置した構成物を着色する。
○オリジナルにはない自分だけの表現を加えたり、新たに思いついたことを表現する。
・材料に応じた画材を選んだり、砂、紙、板、糸などを用いて構成物の材質感を表現したりする。
・裏側にあるものなど、新たな構成物を加えてみるように促す。
○名画を選ぶ際には写実的なものに限らずできるだけ様々な図版資料を準備し,日本の絵画作品などにも親しめるようにする。図版資料だけでは資料数が不足し,多数の子が十分な鑑賞をできる学習環境を作ることが難しい。デジタルコンテンツからも作品を選ぶことにより多数の子が同時に,同じ作品を鑑賞することができる。
○選んだ名画をエクセルのシートに挿入し,印刷,名札・鑑賞カードに使用することにより,選んだ名画,作者が友人と重なった場合にも,製作に取り組みやすく環境をつくることができる。また展示,相互鑑賞の際,名画と作品を比較しながら楽しく鑑賞することができる。

●【インターネット美術館】〔ルネサンス2〕 レオナルド/モナ・リザ
【モナ・リザ】「モナ・リザ」はルネサンスを代表する作品の1つであり、ルネサンスとはどのような意味を持つのかということをこの作品から理解することができる。
●【インターネット美術館】〔印象派2〕 モネ/積みわら・夏の終わり
【積みわら・夏の終わり】この作品は、同じモチーフをさまざまな日の光のもとで描いた連作である。おなじ「積みわら」という題材が、光の変化によってどれだけ違う表現ができるのかを知ることができる。
●【インターネット美術館】〔後期印象派〕 ゴッホ/アルルの寝室
【アルルの寝室】アルルの部屋は「完全な休息」の場であるように整えられていた。黄色が特徴的に使われ、家具ははっきりとした色彩と明確な線で縁取られているが、どこか全体的に不安定な雰囲気があり、作者の不安定な心情を表した一種の自画像である。
●【インターネット美術館】〔後期印象派〕 ゴッホ/フィンセントの椅子
【フィンセントの椅子】「ゴーギャンの椅子」と対にできると考えられる作品。ゴッホの不安定な内面や、独特の表現方法について知ることができる。