1505 ファイルシステムのしくみ
ディレクトリとは

ハードディスクに保存されたひとまとまりのデータは、ファイルと呼ばれます。ハードディスクを書架、書き込まれるファイルを本に例えると次のようになります。コンピュータにとって書き込んだファイルは本を後ろ向きに入れているようなもので、いちいち本を取り出してみないと探している本がどこにあるのか分かりません。そこで書架を区切って番号を付け、どの本がどこに入れられたかを記録します。この記録を「ディレクトリ」といい、ディレクトリを見れば取り出したい本の場所が分かります。

  
FATとは

ディレクトリを見ると、取り出したいデータの場所が分かりますが、データが大きくて1つの区切りに入らない場合、分けて入れておかなくてはなりません。そこで、もう一つ記録表を用意し、分けて入れられた本のつながりを記録しておきます。この記録表を「FAT(ファイルアロケーションテーブル)」といい、データをどのように分けて入れても、後から1つのデータとして取り出すことができます。

  
書き込み

磁気ディスクの記憶面は、細かい区画(クラスタ)に分けられ、すべてに番地がつけられています。ファイルは、クラスタ単位で書き込まれる。1つのクラスタに入りきらないファイルは複数のクラスタにわたって書き込まれます。どんなファイルがどこから書き込まれたかはディレクトリに記録され、FAT(ファイルアロケーションテーブル)には、クラスタのデータのつながりが記録されます。

  
削除と再書き込み

ファイルを削除すると、OSはディレクトリとFATを書き換えます。ファイルのデータそのものは、ハードディスクに残っていますが、ディレクトリから消えているので読み出すことができません。再書き込みの時には、OSはハードディスクの未使用の空きクラスタから順に書き込んでいきます。ハードディスクの未使用の空きクラスタがなくなると、削除によってできた空きクラスタが使われます。

  
読み出し

ディレクトリとFAT情報から、ハードディスクのデータを読み出すしくみを見てみましょう。まずディレクトリから読み出すファイルの先頭クラスタを読み出し、データ領域からそのクラスタにあるデータを読み出します。次に、読み出したクラスタ番号をFATから探し、次のクラスタ番号を読み出します。データ領域から読み出したクラスタ番号のデータを読み出し、さらにFATに読み出したクラスタ番号を探します。これを繰り返し、FATを見て次のクラスタを示す値が終わりであれば、ファイルの読み込みを終わります。

  
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