ITCE 教育情報化コーディネータ検定試験

 

ICT支援員能力認定試験に関するFAQ

2019.2

2019年度よりICT支援員上級認定が加わり、制度が変わりました。以下は、新しい制度をもとに解答されています。
                            ( 2018年以前のQ/Aは こちら→

A領域では、どのような内容が出題されますか。どのような勉強をすればよいでしょうか。

 ICT支援員が身につけるべき能力や役割については、「ICT 支援員の養成に関する調査研究委員会」がまとめた
 「ICT支援員 ハンドブック」、日本標準から出版されている公式ガイドブック「ICT支援員」が参考となるでしょう。
http://www.cec.or.jp/cecre/ictsup/ictup_book.pdf        https://www.nipponhyojun.co.jp/sinkan/ict_sien/index.html

 ICT支援員認定試験では、実際の教育現場から要求されている様々な問題をクリアできるように、

  1. a) 教育現場や情報技術などでの基本的用語
  2. b) 教育現場で利用されるアプリケーションソフトやファイルの操作
  3. c) 現場で生じる問題に対する状況判断や対応
  4. d) 教育現場で利用されるハードウエアやソフトの設定
  5. e) 学校特有の問題に関する理解(職務、子どもの扱いなど)
  6. f) 情報モラルの指導・セキュリティに関する知識

などの領域から出題されることになっています。

 A領域の試験については、ソフト活用やネットワークなどに関する技術・知識、教育活動・教育組織などへの理解が求められるという観点から、教育情報化コーディネータ3級の問題も参考にしていただければよいと思います。

B領域はどのように評価されるのですか。

 A領域試験終了後、同日中にメールにて課題が送られます。期限内(4日以内)に解答を動画にて自録したものを提出してもらい、評価します。

 ICT支援員として学校現場で日常的に遭遇する内容への問題解決、あるいは、技術的な内容について、わかりやすく説明するといった課題が出されます。評価観点は、「問題場面を的確に把握できているか」と「先生方にその状況や対応を的確に説明できるか」に重点が置かれます。実際に教育現場で、人前で話したり、説明したり、質問にわかりやすく答えたりすることをやってこられたICT支援員の方にとっては特別な準備は不要ですが、不得意な方は日頃からの自己研鑽が必要でしょう。

 提出された動画は複数(5名以上)の審査員が観点別に評価し得点化します。審査には時間を要することから、B領域の受験者数が多数の場合(150名を超えた場合)、A領域の不合格者で合格ラインより著しく低い得点の受験者の判定を行わない場合があります。

A領域あるいはB領域のみを受験することは可能ですか。

 2018年までは、申し込みの段階から「A領域」のみの受験も可能としていました。しかし2019年度からは、AB領域同時受験が原則となり、どちらも同時に合格点に達した方にのみ認定書が発行されます。「A領域のみ合格」という判定や「研修コース」合格による追加認定という制度はなくなります(注:2018年以前の「A領域のみ合格」は2年間有効で、該当者には「研修コース」による追加認定が適用されます)。

2019年度より始まるICT支援員上級認定について教えてください。

ICT支援員上級は、ICT支援員認定者のうち、実績面、能力面で特に優秀と認められた方に認定される新しい制度です。2月(または3月)に、有資格者のうちの受験希望者に、C領域(問題解決・コミュニケーション能力)に関する実践的課題、面接試験が課され、合格者にはICT支援員上級が認定されます。有資格者とは、ICT支援員認定後4年以内であること、AB領域とも高得点で合格していること、2年以上の実務経験あること、の3つです。「AB領域とも高得点で合格している」かどうかは、ICT支援員認定合格時に本人に通知されることになっています。

ICT支援員の認定証書などは発行されますか。

 はい。ICT支援員として認定された方には、認定日から2カ月ほどで認定証書が発送されます。
 また、希望者には、ICT支援員のライセンスカード(実費2,500円)の発行をしています。

すでに、教育情報化コーディネータ2級(あるいは3級)の資格を持っていますが、ICT支援員の資格もとれますか。

 取得いただけます。ICT支援員はやや実務的な能力の認定が中心になり、コーディネータは、教育の情報化を全体的にデザインする能力が中心になりますが、2つの役割は重なるところもあります。教育現場では、ICT支援員の経験を得て教育情報化コーディネータに育っていくケースも考えられるでしょう。教育現場の情報化を支援していく方には、どちらの資格も挑戦していただきたいところです。

 なお、2018年までは、ICT支援員のA領域の88点以上の方に、(3級試験合格と同等の)2級受験資格を与えていました(該当者は若干名いれども活用者はなし)が、ICT支援員上級の認定制度の発足に伴い、その制度も見直されることになりました。

2019年から全国のテストセンターで受験できるとありますが、どのようなことでしょう。

 これまで大都市の大学等の教室でしかできなかったA領域の受験を、全国にテストセンターを持っているテスト会社の契約施設(主要都市に200か所ほどあるようです)の端末を予約して受験できるようにしました。試験の日時は固定されていますが、会場については申し込み時に、自宅や職場に近い会場を探して指定できるようになります。また受験料の支払いも申し込みと同時に行い、クレジットカードやコンビニ支払いで可能になります。ただし、会場の確保は早いもの優先ですので、希望の会場を予約するには早めの対応が必要です。また、会場の端末を1台借用しているだけですので、場合によっては、当日、隣の端末では全く異なる試験の受験者がいるということにも出くわすでしょう。

 B領域は従来どおり届け出のメールアドレスや個人用連絡ページに送付されてきますので、それ以後は、自宅や職場で対応できます。これまで大都市に移動してしか受験できませんでしたが、ずいぶん便利になると思います。

サテライト会場受験は、継続ですか。

 サテライト会場受験は、大都市の受験会場でしか受験の機会が取れない地方の方々への特別な配慮として考えられたものでした。上記のように、全国のどの都市でも受験できるようになったことで、2019年度からは廃止されます。

「コミュニケーション能力研修コース」とは何でしょうか。

 外部の団体、あるいは認定委員会が主催するe-Learningあるいは実研修のコースのことです。以下の2つが開催されています。

 「コミュニケーション能力研修コース」

 2018年度までは、この研修を受講、合格・修了することで、B領域の合格を免除する 制度がありましたが、1) ICT支援員の受験が全国の主要都市で受験できるようになったこと、2) AB領域の同時受験・高得点者にICT支援員上級の受験資格が与えられること などの新しい制度の下、この免除制度はなくなりました。したがって、事前に研修を受講・修了した場合でも、改めてAB両領域を受験していただくことになります。

ただ、研修の内容は、ICT支援員能力認定試験(特にB領域)を意識したものですので、研修は必ず受験に役立つと思われます。

試験問題は公開されないのですか。

 非公開が原則ですが、2013年(初年度)の出題より、以下のような例が紹介されています。その後もほぼ同レベルの問題となっているようです。ちなみにA領域は36問90分、B領域はネットワークで送付されてきて4日以内に動画で解答することになっています。

■■A領域の問題例■■

【問題 1】(制限時間 150秒)
ある先生から自宅で作ってきたwordのデータが学校では開かないと相談があった。ファイルを見てみると「*.docx」となっていた。以下の対応のうち【適切と考えられるもの】をすべて選び、チェックしなさい。
1. Word 2007より前のバージョンでは、そのまま「*.docx」ファイルを開くことはできないので、Microsoftが無償で配布している「互換機能パック」を追加インストールし、「*.docx」ファイルを表示、編集、保存できるようにする。
2. ファイルの拡張子を「*.docx」から「*.doc」に「名前の変更」を使用して変更する。
3. 校内でWord 2007以降のバージョンのインストールされているパソコンを探す。
4. Word 2007より前のバージョンでは、そのまま「*.docx」ファイルを開くことはできないので、自宅で「*.doc」で保存し直すように伝える。
5. 一太郎などの他のワープロソフトを利用して開く場合もあるので試してみる。

【問題 2】(制限時間 150秒)
 無線LANに関する以下の記述のうち、【正しいもの】をすべて選び、チェックしなさい。
1. ネットワークセキュリティキーは、毎回接続するときに必ず入力が求められる。
2. WEPはすでに古い暗号化形式であり脆弱性が指摘されており、暗号化の方法として用いるべきではない。
3. SSIDは有効な暗号化の方法であり、公開しなければセキュリティが保たれると考えてよい。
4. 無線LANの暗号化や接続の方法は日進月歩であり、新しい情報を入手する必要がある。

【問題 3】(制限時間 150秒)
 以下の説明は、学校教育で用いられている教育関連用語について述べたものである。それぞれ、何を表してるか、【適切なもの】を、選択肢の中から選びなさい。
  1. :教育の目的、理念、義務教育、学校教育などについて明示されている法令
  2. :文部科学省から告示される、学校教育の教育課程の基準
  3. :児童・生徒への学習指導の過程や成果などを要約して記録したもの
  4. :現行の学校制度の根幹である学校の設置や管理などについて明示されている法令

【問題 4】(制限時間 150秒)
 学校のホームページの更新を依頼された。どの様な点に注意をすべきか。【適切なもの】をすべて選び、チェックしなさい。
1.本人にとっても名誉なことだと考え、市の発明コンクールで特選になった児童のA社の特集記事を変更を加えず掲載する。
2.知らないうちに変更される可能性があるので、外部サイトへのリンクは、定期的に確認する。
3. プライバシー保護の観点から、個人情報の掲載については十分に留意する。
4.改正により著作権のコピー制限が緩和されたので、有用な情報は丸ごとコピーしてできるだけ掲載する。
5.迷惑メール等が多く届くので、学校のホームページには、サイト運営先の住所、電話番号、メールアドレスの連絡先は掲載しない。

■■B領域の問題例■■

【問題の設定】
 あなたは、A市のICT支援員で、教育センターのヘルプデスクを担当し、週に1回ずつ各校を巡回して支援にあたっている。ある日、他校への巡回から帰ってきたら、 「学校のネットワークプリンターに職員室のパソコンから印刷したのでけど うまく出てきません。昨日は、うまく出ていました。また、さっき、隣の先生が自分のPCで出力したら、うまくでているみたいです。どうしたらいいですか。」というメッセージが留守番電話に記録されていた。 折り返し電話したが、不在であった。そこで、一方的ではあるが、留守電話にメッセージを残すことにした。
 なお、質問者は、巡回対象の中学校の教諭であるが、面識はない。また、中学校には、情報担当の教員がいるが、その方も含めみなさん技術的にそんなに詳しくはない。

【問題】
 以上の状況を想定して、電話のご本人に対して留守番電話に、120秒以内のメッセージを作成しなさい。

B領域の高得点回答例や模範解答は公開されないのですか。

 (個人情報の問題もあり)実際の高得点回答例や模範解答を公開する予定はありません。
 ただ、評価の視点として、情報支援員認定のB領域の課題の問題文中に、(課題提出の要件)と(解答作成上の留意点)が、記載されていますのでその意味を深くお読みいただければ、どのような回答が高得点になるかは予想できると思います。

例えば、これまでの問題では、

◆評価の対象は、話し方(含・表情)、内容 となっており、具体的に
・初めての相手に電話するつもりで、ゆっくり丁寧に話す。
・状況によって対応が異なるようであれば、
 「○○はどうなっていますか? もし××ならば、~~の可能性がある」
 「○○はどうなっていますか? もし××ならば、~~をしてください」
のように、仮説的に(ただし相手が判断できる範囲で)対応を説明すること。

と、説明されています。さらに、

・ゆっくり話していないと減点の対象となる
・問題点の確認や当面の対応に言及していない場合は採点外となる
・表現やアクセントについては、特に問題とはしない
・相手が面識のない教諭であることを前提に丁寧に話をすること

と、評価の観点がおさえられています。

 問題で設定されている状況を正しく把握し、的確な指示を行えるかどうかも重要です。問題文をよく読み、ポイントを整理して、そのなかから与えられた時間内に何を解説するのがよいか、そのような判断力も求められています。

 実際の現場では、状況を正確に把握するために何度か情報のやり取りが可能ですが、この出題方式では一方向のみの条件があり、問題文だけでは不確定な状況に(わざと)設定してあります。
 したがって、あらゆる「可能性を考えたうえ」で、「話相手の状況あるいは力量を想定して、どこまでどのように相手に伝えて、当面の対応を指示するか」、また「それを分かり易く相手が納得できるよう説明できるか」、を評価していることになります。