道徳
第3学年及び第4学年 2 (2) 相手のことを思いやり,親切にする。
第5学年及び第6学年 2 (2) だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。
本時の指導目標と対応する学習指導要領の内容
顔を合わせてのコミュニケーション(会話)と,電子メールでのコミュニケーション(文字情報)での伝わる内容の違いを,具体的な体験の交流や資料を活かした話し合いを通して学習する。 ポイントは,児童に,実際の話し言葉をそのまま文字にしても,気持ちを表せないことを体験を通じて理解させ,パソコンや携帯電話の電子メールによる文字情報のみのコミュニケーションでは,どんな文章にすると,相手にきちんと気持ちを伝えられるのかを考えさせることである。それをもとに,相手が直接見えなくても相手を感じ,尊重する心情を伝えるための留意点について学習する。
ここでの情報モラル指導のねらい
(1)4年生… |
a2-1:相手への影響を考えて行動する
c2-1:情報の発信や情報をやりとりする場合のルール・マナーを知り,守る |
(2)5・6年生… |
a3-1:他人や社会への影響を考えて行動する
c3-1:何がルール・マナーに反する行為かを知り,絶対に行わない |
指導計画略案・学習活動
全1時間
(または2時間) |
コンピュータで電子メールや掲示板のミニ体験(校内LAN使用)をして,それがどんなものかを感じ取る。
(別の機会に体験したことを思い起こしてもよい。) 今までに,コンピュータで電子メールや掲示板の体験をしたことがある場合,やってみてどうだったかを 話し合う。特に,よかったこと(うまく送れたこと,喜んでもらえたことなど)や,いやだと思ったこと (意味の分からない文章がきた,本当でないことが書いてあったなど)について交流する。 教材(資料)を読んで,次のことについて考え,話し合う。
(1)日常から悟と健太とどんな感じで声を交わしているか。
(2)健太にメールを送っているときの悟の気持ちと,メールをもらったときの健太の気持ちはどんなだろうか。
(3)真司から「ぼくだってこんなメールいやだよ。」と言われたときの悟の心の中がどうだったか(ワークシートに書き込む)。
今までのメールによる心の行き違いについてもう一度振り返り,どのようにすればこのようなことが避けられるかについて考え,まとめる。 |
教材 「悟の失敗」
サッカー仲間の大の仲良しの二人(悟と健太)は,いつも「ボールいくぞ」「おお」「何やってんだよ,どじだなあしっかりとれよ。」「何言ってんだ。悟こそ弱チョロボール。ちゃんと届くような玉を送れよ」などと,大声で言いながらサッカーを楽しんでいる。「ひどい言い方,けんかになるよ。」とまわりから言われても,心が通じ合っているから平気平気と言って,あいかわらず楽しそうにサッカーをやりながら大声で話している。そんなある日試合があった。悟が送ったパスを健太が取ろうとしたが,ころんで敵に取られてしまう。試合は悟達のチームの負けで終了した。
落ち込んでいる健太を励まそうと悟はメールを送った。
ところが返事も来ないし,次の日から健太の態度がどうもおかしい。 ろう下の向こうから健太がやって来たので,悟は声をかけようとした。いつもならすぐにあいさつをしてくれるのになぜか悟を見ないようにしてさっと行ってしまい避けている。悟は遊びに来た友達の真司にメールの画面を見せて相談した。真司はメールを見るなりあきれて「これがはげましのメール? これじゃ健太が悟と会いたくないのも無理ないよ。落ち込んでいる時にこんなメール来たら,ますます落ち込むのは当然だよ。ぼくだってこんなメールいやだよ。」と言った。悟は驚いて「えっ,いつも話しているように打ったんだけどなあ・・・・。失敗したな。」と言い,もう一度メールを読んで考え始めた。
悟から健太への電子メール「ちゃんとやれよ 健太!」
「健太へ 今日の試合は残念だったな。せっかくおれがいいパスを回してやったのに,かんじんなところでころぶなんて,どじだよな。試合にもまけちゃうし。ころんだけど,足,けがしなくてよかったな。次の試合ではちゃんとやれよ。 悟より」