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子どもの実態を把握した指導
子どもの実態を把握した指導
子どもの実態を把握する必要がある
生徒の情報環境(生徒の実態調査)の内容をよく見てください。これらのデータは,保護者の目の届くところで利用させたり,何らかのルールを作って使用させている保護者は,少数派であることを示しています。また,割合としては小さいですが,出会い系サイトを利用した経験がある児童生徒や,教育上不適切な情報にアクセスした児童,インターネットで怖い思いや,いやな思い・困った思いをしたことがある児童がいることも示しています。
メールやチャットの相手・内容を,保護者が分かっているか,悪口や嫌がらせなどを書いたり,書かれたりしていないか,けんかなどのトラブルを引き起こしていないか,チェーンメールを転送していないかなど,保護者が子どものインターネットの利用実態を把握し,家庭でしっかりとした指導や対策をする必要があります。

例えば,ネットゲームは不特定の相手と対戦できるだけでなく,チャット機能によって,お互いに知り合えるものもあります。平成18年夏には,出会い系サイトより利用者の警戒心が薄いゲームサイトで,女子高校生を巧みに誘い出し,淫行に及ぶという事件が発生しています。また,リアルマネートレード(ゲーム内で使用するお金やアイテムを現実社会のお金で売買すること)によって,小学生が月に何十万円というお金を使ってしまったケースもあります。なかには,ゲームに負けた腹いせに,相手の悪口をネット上に書き込むケースもあるようです。
さらに,中には児童生徒には不適切な画像や情報を使ったゲームサイトがあり,特定の分野のマニアに人気があるサイトがあります。そのようなサイトの名称は,普通の文言が使われているため,フィルタリングシステムによる閲覧制限の網をすり抜けてしまい,児童生徒が目にすることがあります。そのサイトを見ることが,よいか悪いか判断せずに口コミで児童生徒に広がり,保護者や先生の知らないところでの利用が増加しています。
このほか,視力の低下などの健康への害や,生身の友達と遊んだり関わったりする時間の減少など,身体や心の成長の観点からの問題も考える必要があります。 保護者の目の届くところでパソコンやゲーム機を利用させたり,パソコンや携帯電話のフィルタリングシステム等を利用して児童生徒に利用させたくないサイトは利用できないようにしたりすることが,児童生徒を守るために一番重要です。 特に次の4つのことを保護者にアドバイスするとよいでしょう。

(1) チャットボード,自己紹介サイト,ネットゲームも使い方によっては,出合い系サイト,自殺サイトと同様の機能を果たすことがある。
(2) ゲームの内容や構成が不適切である可能性がある。
(3) 対戦する相手とトラブルになったり,トラブルに巻き込まれたりする可能性がある。
(4) 対戦する相手とトラブルになったり,トラブルに巻き込まれたりする可能性がある。
学校が家庭での利用実態把握を元に保護者と連携した情報モラル教育を
学校でのインターネット利用は,使う時間も内容も限られている上,フィルタリングシステムが導入されたり,セキュリティ対策も取られていたりするなど,一定の安全性が確保されています。 しかし,個々の家庭やネットカフェなどのPC,携帯電話では,インターネット上の危険に無防備な状態で子どもが利用しているケースが少なからずあります。インターネット利用の普及に伴い,犯罪や被害・トラブルが増加し,また,それらに関係する被害者,加害者が低年齢化しています。多くの児童生徒はインターネット上の危険に対して無防備な状態で,しかも,自分が危険な状態であることさえ分からずに利用しているのです。 児童生徒に適切なインターネットの利用方法を教えられる知識を持っている保護者は少数です。学校が児童生徒の家庭でのインターネットや携帯電話の利用実態を把握し,それを元にして,学校が保護者と連携して情報モラル教育を行っていくことが大切です。